福岡俘虜収容所第14分所追悼記念碑建立委員会事務局長・井原俊也氏
感謝と追悼のことば
(1963年5月24日-2022年7月1日)
去る7月1日に長崎の福岡俘虜収容所第14分所追悼記念碑建立委員会の事務局長・井原俊也氏が逝去されました。59歳という若さで私たちのもとから旅立たれた氏には、もっとやりたいことがたくさんあっただろうと心が痛みます。
井原氏は父親である故・井原東洋一氏(2019年没。享年83歳)とともに地元長崎を中心に平和活動に力を注いで来られました。東洋一氏は被爆者一世として、同じ被爆者を含む戦争被害者のために長年精力的な活動をされ、長崎県被爆者手帳友の会会長として核廃絶運動に大きな功績を残されました。オランダ関係では香焼にあった福岡俘虜収容所第2分所の追悼慰霊碑建立プロジェクトの中心人物だった方です。
俊也氏は友の会事務局長役を担い、また第2分所と第14分所双方のプロジェクト運営に尽力されました。さらに数多くの映画や、第2分所の捕虜だった方の息子アンドレ・スクラム氏が出版した「ヨハンの物語」を使って、反戦と非核のための啓蒙活動を繰り広げてくださっていました。井原東洋一氏と俊也氏が「ヨハンの物語」を紹介する場面がニュースに取り上げられましたので、そのリンクをここに添付します。
井原俊也氏のこれまでの貢献、特に俘虜関係者たちのためのご尽力に対し、ここにオランダ捕虜関係者全員から、改めて心から尊敬と感謝を捧げ、ご冥福をお祈りいたします。
井原氏のご遺族、知人の皆様に対し、ここに謹んでお悔やみ申し上げます。ご葬儀にあたりましては関係者からの追悼の意を込め、お花を贈らせていただきました。
少し前にこの俊也氏と父・東洋一氏の志を継ごうと、兄・和洋(かずひろ)氏が故郷長崎に戻って来られたと聞き及んでおります。彼の存在は私たち平和活動を続ける者たちの大きな力添えとなることでしょう。和洋氏の決意に対しましても、深く感謝申し上げます。
在オランダ・長崎記念碑財団
ロブ・シュカウテン、ルード・ヴァン・クラーイ
キズナ委員会
綿貫葉子、グレゴー・ウィッテヴェーン